外断熱の可能性
エコラボ41で扱う『EIFS湿式外断熱工法』は、建物の外側をEPS(発泡スチロール)で包み込む外断熱工法です。建物内で行う断熱と違い、建物を断熱材ですっぽりと包み込むため、隙間のない施工が可能になり断熱・気密性が格段に向上します。外断熱工法には断熱効果以外にもメリットがたくさんあり、新築工事はもちろん、老朽化した建物の再生にも効果的です。住宅に限らず大型施設の改修工事などでの採用事例が多数あります。今回はその理由となる「外断熱のメリット」についてご紹介したいと思います。
外断熱の4大メリット
●省エネルギーにつながる
コンクリートには蓄熱性があるため、外断熱を行うことで建物内の熱を逃さずキープすることが可能になります。そのため、冷暖房の効率を上げ、空調費を削減することに繋がります。
●室内環境を向上させる
外断熱なら、室内の温度が上昇するのを抑え、結露やカビの発生を防ぎます。カビはダニの餌となり、アレルギーなどを引き起こす原因であることが知られています。
●建物の寿命を長く
外断熱は外側から建物をすっぽりと断熱材で包み込むため、躯体を保護する効果があります。そのため、建物自体の寿命を大幅に伸ばすことが可能となります。
●改修工事に適している
既存の外壁を断熱材で保護するため、外壁デザインを一新できます。また、築年数が経った建物も外からしっかりと覆うことで強度を高めることができます。
少し前までは外断熱は非常に高価と言われていましたが、現在では一時の半額程度まで価格を抑えられています。これまで以上に省エネが重要視される今後、高い断熱性と上記のメリットを持つ外断熱は大きな可能性を秘めています。
住宅以外にも、大学などの教育施設、病院やオフィスビル、ホテルなどの大型施設の改修工事で採用されています。校舎の教室にて改修前と改修後の体感温度を計測した実験では、5℃以上の差を観測したケースもあります。また、一度暖まった室内は暖房を停止した後も温度を保ちます。そのため冷暖房の効率が向上し、空調設備のランニングコストが3割程度削減できたという報告もあります。
また、外壁の老朽化が進み、今にも剥離しそうなタイルの落下防止策としても外断熱は有効です。ファイバーグラスメッシュなどで補強を行いながら施工を進めるため、外壁のデザインを一新すると同時に建物の強度を高め、築年数が経った建物を価値あるものに再生します。有名なものでは、北海道にある星野リゾート「アルファリゾート トマム」などが外断熱工法を用いた価値向上を実現しています。
エコラボ41では、EIFS湿式外断熱工法による改修工事で、築60年以上が経過した建物を再生中です。仕上がりは施工事例にて公開させていただく予定です。外断熱の可能性を皆様に感じていただければと思います。